権謀術数。アメリカ版白い巨塔。ヒューマンサスペンスの巨匠デヴィッドフィンチャーによるドラマシリーズは文句なくオススメ。
「アメリカ大統領に俺はなる!」
努力と友情と勝利を3原則に掲げる某少年誌の海賊マンガではありませんが策略、裏切、勝利によって己の目的達成のためには今日の友を明日には裏切り、必ず勝利を掴む。政治という一般市民には全く裏の見えない世界の黒い部分を圧倒的リアリティで描き出したドラマシリーズが各地で高評価を得ています。
このドラマをオススメするポイント
はじめに
「ハウスオブカード(House of card)」とは「砂上の楼閣、あぶなっかしい計画」という意味です。ドラマを見ればわかりますが主役のフランシス・アンダーウッド(ケビン・スペイシー)が己の豪腕でこの危なっかしい計画を次々と成し遂げ最終的にはアメリカ合衆国大統領になるというストーリーとなっています。
このドラマを見るきっかけはデヴィッド・フィンチャーが監督をしていると知ったからですが、主演はセブンでともに仕事をしたケビン・スペイシーであることも重要です。フランシスのような知力に長け、己の本性を裏に隠し、物事を遂行していくこんなダークカリスマヒーローを演じさせたら右に出るものはいない役者でしょう。
極上政治サスペンス
image:IMDb
アメリカの議会を舞台に繰り広げられる、ケビン・スペイシー演じるフランシス・アンダーウッドの成り上がり物語。出世のためなら恩人であろうとも慈悲の心もなく切り捨てる、この冷徹な心こそフランク最大の武器、そこに妥協はありません。権力、賄賂、謀略、裏切りなど使えるものは全て使い、政治家というモンスター達を相手に大活躍します。
このストーリーを支えているのが脚本のボー・ウィリモン。アメリカの選挙キャンペーンからヒラリー・クリントンなどの政治家たちと働き、政治の裏舞台を見てきた経験がこのドラマの圧倒的リアリティを支えています。
このような骨太のストーリーを映像化させたらこれまた最高の映像を撮るデヴィッド・フィンチャー監督。この二人の強力タッグがこのドラマを面白くしている大きな要素となっています。
冒頭に米国版白い巨塔と紹介しましたが、出世のためにあらゆるものを利用してでも上に這い上がっていくストーリーが視聴者を時にイラつかせながらもことを成し遂げていく。華やかに見える舞台の裏側とはこれほどまでにドロドロと人間臭いのかと嫌な部分をこれでもかと見せつけられます。
デヴィッド・フィンチャー
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ご存知ヒューマンサスペンス映画の巨匠。代表作はファイトクラブ、セブン、ドラゴンタトゥーの女、ソーシャルネットワーク、最近ではゴーン・ガールです。本作では総指揮および第1、2話の監督を務めています。
フィンチャー作品の特徴はその暗い色調の映像。暗がりにこそフィンチャー監督が描き出そうとする微細な人間の心の描写が描き出される。ハウスオブカードでも妻であり、強力な政治パートナーでもあるクレア・アンダーウッド(ロビン・ライト)と自宅の窓際でタバコを燻らすシーンが幾度となく登場し視聴者の印象に強く残ります。
ちなみにこの人はピンクが嫌いだそうです。
代表作のファイトクラブについてはこちらをご覧ください。
www.miniyama.net
キャスト
フィンチャーファミリーというべきか、これまでフィンチャー作品に出演した役者たちが多く出演しています。シーズン1の主要キャストである3人を簡単に紹介します。
ケヴィン・スペイシー
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ユージュアルサスペクツでの怪演でアカデミー助演男優賞受賞、アメリカンビューティーでアカデミー主演男優賞受賞の現在最高クラスの役者です。
決して2枚目顔立ちではありませんが、その存在感は抜群。お腹は中年太り、髪の毛だって薄くなり、ともすると女性に嫌われがちな容姿かもしれませんが、ハウスオブカードで演じるフランシスがスーツを身にまとって他者を見つめるその眼光は見ていてゾクゾクさせられ、不思議と人を引き込む魅力?魔力?を持っています。
代表作は多すぎてここで紹介するには場所が足りません。とにかく名作がずらりです。
セブン、ユージュアルサスペクツ、LAコンフィデンシャル、アメリカンビューティーなど多数。
ロビン・ライト
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キレイ。この一言につきます。ファーストレディとはこういう人のことをいうのではないでしょうか。気品にあふれ、優雅にピンヒールを履いた姿には見とれてしまいます。アラフィフでこれだけの美貌とスタイル。作品の華。
過去にはドラゴンタトゥーの女でフィンチャー監督作品に出演しています。代表作はフォレスト・ガンプ。そしてハウスオブカード最新作ではさらに重要な役割を演じます。
さいごに
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最近は本作もしかりハンニバルなどドラマシリーズに自分好みの作品を見つけることが多くなりました。役者や監督含めキャスティングも映画同様に豪華になっており、マーベル、パイレーツオブカリビアン、ハリーポッターなどのシリーズものに面白さを見出すことができずにいましたが今はこのシリーズを楽しんでいます。
ハウスオブカードはこんなドラマシリーズです。
デヴィッド・フィンチャー監督やケヴィン・スペイシーの過去の作品が好きな方なら間違いなく楽しめるドラマです。
もちろんフィンチャーやスペイシーを知らなくてもハリウッドでもおなじみの豪華キャストで制作されたこのシリーズは文句なしでオススメです。