本当に体によい食事を考える、そんな話。
An apple a day keeps the doctor away
(訳:りんご1個で医者いらず)
英語のことわざ
当ブログにお越し頂きありがとうございます。
今日は世界一シンプルで科学的に証明された食事についてミニマリスト的に魅惑的なシンプルというマーケティングワードに自らひっかかりにいって記事にしてみました。
はじめに
食事は本当に大切なものだということは誰しもがわかっていることですが、これまでにしみついた食習慣から人はなかなか抜け出せません。
数あるダイエット本や健康食品ブームなどタケノコのように生えては消えていくのを皆さんも実感されていると思います。
冒頭のことわざ通りりんご1個食べれば良いということであればこれほどシンプルな回答はありませんが、そうは問屋がおろさないということで現時点で科学的に証明されている健康的な食事とはなにかをみていきたいと思います。
健康に良い食べ物、悪い食べ物
本著のキモはここに集約されると思いますがまず結論から、現時点で科学的に証明されていることはこれだけです。
健康に良い食物
- 魚
- 野菜と果物
- 茶色い炭水化物
- オリーブオイル
- ナッツ類
健康に悪い食物
- 赤い肉(牛肉や豚肉、鶏肉は含まない)
- 白い炭水化物
- 飽和脂肪酸(バターなど)
まさにシンプルですね。
美味しいものには毒がある。日本人の大好きな白ごはんも科学的にはよくないというのが現時点での評価。
お肉(牛肉や豚肉)も健康に悪いということで何食べたらいいんじゃー、という第一印象ではないでしょうか?
科学的に悪いという結論が出たとしてもすぐには我々のもとに正しい情報は届きません。
なぜなら農家や関連団体が圧力をかけますので情報は歪みます。
そうすると被害を受けるのは無知な消費者となるのですが、お米に限らず流通しているモノは多かれ少なかれ政策やマーケティングで正しい情報、実態をつかみにくくなっています。
我々はそれ理解したうえでさまざまな食事を見つめなおす必要があります。
成分信仰について
βカロテン、リコピンなど単一の成分を積極的に摂取したら良かったよというのはほとんどがまやかしということです。
βカロテンに関しては積極摂取がリスクになるという全く違った結論が出ています。こわいですね。
地中海食とはなにか?
作者引用の論文はもともと2013年に医学論文紙で最も権威あるNEJMに一度発表されていたのですが、この度改めて
「Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts」
という論文が、2018年6月にデータの不備を整え改めて地中海食の有効性が確認されたという発表がありました。
地中海食とは魚、ナッツ類、オリーブオイル、野菜・果物を豊富に摂取する地中海地方の食文化です。
気になるナッツ類のなかみは論文中に下記の記載があります。
walnuts (by the California Walnut Commission)くるみ
almonds (by Borges, in Spain)アーモンド
hazelnuts (byMorella Nuts, in Spain)ヘーゼルナッツ
N Engl J Med 2018; 378:e34
コンビニとかで買うミックスナッツは高いです。ナッツを食べたくなったらタマチャンショップ。
果物ジュースや野菜ジュースと果物と野菜
野菜や果物は心筋梗塞や脳卒中予防効果がありそうだが、果物ジュースは糖尿病のリスクを高めるというデータがあるようです。
コンビニで健康のため100%果物ジュースを飲んでもリスクを高めているだけのようなので心当たりがある人は注意しましょう。
白い炭水化物
私たちの大好きなお米や小麦粉はそれぞれ精米、精製されておりその過程で栄養素(食物繊維)がなくなってしまい、病気のリスクをあげてしまうよ、だから玄米や全粒粉(精製前の小麦粉)が体には良いよということです。
日本人の多くが悲鳴をあげそうな情報が多く、これも関係団体からバッシングされそうなデータでした。ぜひ本で読んでみてください。
マクガバンレポート
いわゆる不都合な真実というやつです。
発表当時アメリカ国内の食品関連団体から猛反発をくらったと噂のレポートがマクガバンレポートになります。
簡単に要約するとアメリカの健康問題は高脂肪、高カロリーな食生活パターンが原因で心臓疾患などの増加につながっていることから、食生活に介入し食品や調理の指針を設定するという目的のもとに実施された調査報告書になります。
こちらのサマリーと解釈について論じたモノが参考になります。
マクガバン・レポートと日本における食の「近代化」の内発的契機 戸川律子 著
同様に不都合な真実としてチャイナスタディーというヤツもあります。ご興味のある方はどうぞ
チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」(合本版)
マクガバンレポートでは動物性脂肪の摂取割合を減らしましょう、コレステロールの摂取を減らしましょうということ、チャイナスタディーでは動物性タンパク質は発がん性が高いよということがわかってしまいました。
というわけでご想像の通り関連団体からの圧力があり、一般市民には認知される機会は限りなく少なかったようです。
日本のデータ
では日本の現状はどうなのよ?
日本の栄養比率 農林水産省
最新データではタンパク質12.9%、脂質30.1%、糖質(炭水化物)57%となっております。
アメリカと比べると脂質と糖質の摂取比率に開きがあります。
糖質制限食はこのPFC比率の糖質比率を下げ、結果的に脂質、タンパク質の摂取量が高まります。
日本人の食事摂取基準 厚生労働省
現在国より発表されている食事の摂取基準は上記の通りとなります。前項の現状の摂取比率と比較すると、全ての栄養素でほぼ基準通りとなり額面上は健康的な食事をとっていることになっています。
肥満の推移
肥満は糖尿病をはじめ高血圧、高脂血症など様々な病気のもととなってしまいます。
数多くのダイエットメソッドがありますが成功する人は多くはありません、万年ダイエッターもあなたの周り(もしくは横に)いるのでないでしょうか?
ここ数年、日本では横ばいではあるのですが、お上はさらなる肥満改善を目標としています。(→健康日本21)
何を食べるのか
さてこんな感じで日本における食事の環境や情報を整理してみましたが結局何を食べればいいの?
という質問には改めて
牛肉や豚肉→魚、鶏肉
野菜や果物→加工せずにそのままで
各種オイル→オリーブオイル
おやつ→ナッツ類(無塩)
なんとなーくわかってるよという結語ですね、皆さんも体感的には上記のような食事が体にいいとはわかりつつ、そうはいっても
おにぎりうまー
ラーメンうっまー
焼肉サイコー!
という感じで生活しているのです。(もちろん私もその1人です…あーおそろしや)
健康は日々の食事の積み重ねと肝に銘じながら、おいしい食卓を囲みたいものです。
最後に
決まり文句ではありますが病気をお持ちの方や妊婦、子供については該当しない項目が多々ありますので、そのような方はお医者様にしっかりと相談してください。
その他、全ての解釈と実践は自己責任でお願いします。
では、今日はこのへんでおしまい。